☆ 核融合発電 の 燃料 、 重水素 は無尽蔵であると説明してきましたが、ここで少し補足をしなければいけません。核融合発電の燃料は 重水素 と 三重水素(トリチウム) です。トリチウムは自然界にはほとんど存在しません。あれ?それでは資源がないことになります。 ☆ここはうまくなっていて、「リチウム」の入った合金や化合物に核融合反応で発生する中性子を当てて 三重水素 を生産します。リチウムは電池(上の写真)に使われるようになって有名になった元素です。リチウムは鉱山からもとれますが、限りある資源です。核融合発電で使ってしまうと数百年でなくなってしまいます。 ☆ところが、リチウムは海水中に0.000017%だけ含まれています。( 重水素 は0.015%)これを回収できれば、 重水素 と同じように数千万年使うことができます。実質「無尽蔵」です。しかし今はリチウムを海水中から商業的に回収することに成功していません(実験は順調に進められています)。核融合エネルギーの持続可能性は、つまり重水素とリチウムが海水から低コストで回収できることが前提となっています。
海水が原料となる核融合発電は、持続可能なエネルギー源として、今地球の抱えている色々な問題を解決してくれるはずです。そんな核融合発電について解説します。 水色の文字は、サイト内の関連記事にリンクしています(外部リンクと表示のない限り) このサイトでは、主に「磁場閉じ込め核融合」を扱っていますので、「レーザー(慣性閉じ込め)核融合」とは技術的に異なる点があります。ご注意ください。