☆ 核融合発電 では, 1億度の水素のプラズマが真空の容器の中で磁場によって空中に浮遊 しています。 プラズマ は真空容器の壁に触れていないので、互いに無関係かというと、そうではありません。プラズマから閉じ込められなかった原子核が高速で飛び出してきて、真空容器の壁に衝突します。そして壁の材料を少量ですが弾き飛ばします。 ☆真空容器の中の水素プラズマは1グラムにも満たない重さですが、ここに1%でも壁から弾き飛ばされた不純物原子が入り込むと、温度が極端に下がってしまいます。長時間プラズマを保持しなければならない核融合発電には、不都合な現象です。 ☆そこで、高速粒子がぶつかっても原子核が弾き飛ばされにくいタングステンという金属が壁の材料として有力といわれています。しかしタングステンは、一度プラズマに混入すると、プラズマの温度を下げる効果が大きいという欠点もあります。壁にどのような材料を使うかは、これからの重要な研究テーマとなっています。
海水が原料となる核融合発電は、持続可能なエネルギー源として、今地球の抱えている色々な問題を解決してくれるはずです。そんな核融合発電について解説します。 水色の文字は、サイト内の関連記事にリンクしています(外部リンクと表示のない限り) このサイトでは、主に「磁場閉じ込め核融合」を扱っていますので、「レーザー(慣性閉じ込め)核融合」とは技術的に異なる点があります。ご注意ください。