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模型で見る核融合発電炉

☆上の写真は、核融合科学研究所の玄関に展示されている核融合発電炉(設計中)の模型です。中が真空なので、実際は金属の容器に覆われて中は見えないのですが、模型なので、ミカンの皮を剥ぐように中が見えるようにしています。
☆全体としてドーナッツ状をした発電炉は、外径が40メートルあります。(少し大きいので、研究を進めてもっと小さくしたいと思っています)水素のガスが高温になったプラズマ(薄ピンク色の部分)を、強力な磁場を発生する超伝導マグネット(青色の部分)と熱エネルギーを発生するブランケット(黄色の部分)が取り囲みます。そしてその外側が真空を保つ金属容器(クライオスタット)です。全体的な形は、加速器とよく似ています。(水素原子、つまり陽子を加速するという意味では、本当に加速器なのですが)
☆この発電炉は、今実験中の大型ヘリカル装置(LHD)を相似形で4倍に拡大したものになっています。ですから、今のLHDの実験結果や建設の経験を用いて設計しています。
☆断面を拡大すると下のような写真になります。プラズマの断面は卵のような楕円形です。超伝導マグネット(コイル)は2本がDNAのように2重らせんになっています。この形からヘリカル型と呼ばれています。(一方、コイルが捩れていないのはトカマク形です)ブランケットは、核融合反応で発生する中性子を受け止めて、運動エネルギーを熱エネルギーに変えます。中性子が外に漏れないように、プラズマを完全に覆っています。(ブランケットは毛布という意味です。)
☆超伝導マグネットの温度はマイナス270度、ブランケットは500度くらいになります。短い距離でこの温度差を維持するために、色々な工夫が必要になります。真空にするのはもちろん、スーパーインシュレーションと呼ばれる断熱材を挟みます。温度によって材料が伸び縮みすることも正確に計算しておかないと、温度の違うものが接触したり、部品が壊れたりします。この温度差が、工学設計では難しいところになっています。