スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

9月, 2009の投稿を表示しています

超伝導プラズマ閉じ込め実験装置「大型ヘリカル装置」

☆下の写真は私の働く研究所にあるプラズマ閉じ込め実験装置、「大型ヘリカル装置(通称LHD)」です。超伝導コイルをプラズマ閉じ込めに使った実験装置では世界一大きなものです。今年度のプラズマ生成実験は10月から開始し、今年いっぱい行う予定です。今日から超伝導コイルをマイナス270度まで冷やす運転を始めました。800トンもある超伝導コイルを冷やすのに1ヶ月もかかります。 ☆この装置の目的は、核融合反応を起こすことではなく、模擬燃料(水素、重水素、ヘリウム、アルゴン)を使って(実燃料の一つである三重水素《トリチウム》は使いません)、1億度近いプラズマの性質を科学的に調べることです。国内外の研究者が集まり、プラズマの研究を行っています。これまでに1億度超のプラズマを作ることに成功しています。また、2,000万度のプラズマを48分間保持することにも成功しました。(平成29年5月追記)
☆研究所の広報室では、団体でも個人でもご家族でも見学を受け付けています(平日のみとなりますが)。見学対応スタッフが核融合のことをわかりやすく説明しますので、ぜひ気軽にお越しください。見学には事前の申し込みをお願いしています。詳しくはホームページ(外部リンク)を参照ください。また毎年秋ごろに各種科学関連イベントを含めた一般公開を開催します。(平成29年は10月28日に開催します。)こちらも是非お越し下さい。一般公開の詳細はこちら(外部リンク)にあります。

核融合反応の発見から77年

☆核融合反応が発見されたのは、1932年、英国のコッククロフトとウォルトンの二人によってです。陽子(水素の原子核)という粒子を加速して金属のリチウムに当てて、ヘリウムを作る原子核反応を初めて人工的に起こしました。この功績により二人はノーベル賞を受賞しています。

☆それから77年、核融合反応を制御してエネルギーを取り出せる直前まで来ています。直前といってもエネルギーが取り出せるまでまだ30年ぐらいの研究開発期間が必要です。

☆核融合発電は難しくて、実現しないのではという議論を聞きます。でも、まだ発見されてから100年も経っていない新しい科学技術なのです。実現しないという議論をするのは時期尚早です。

☆化石燃料の枯渇が深刻になるのは、50から100年後。その時に自然エネルギーの他に核融合発電という選択肢が残されていたほうが絶対に安心です。今後のエネルギー需要とも関係しますが、自然エネルギーがエネルギー需要を100%まかなえるかどうかについては不安があるからです。これが核融合発電の研究を長期的に続ける大きな動機となっています。