核融合発電 では、 1億度 の水素ガス( プラズマ と呼びます)を作ることが必要です。でも、「 1億度 の水素プラズマが 金属容器 に当たるとドロドロに溶けてしまうのではないか」というご質問をよく受けます。ここでは、(厳密さより分かりやすさを優先して)それにお答えしたいと思います。 まず、通常の運転では、プラズマは目に見えない 磁場のカゴ で閉じ込められ(浮遊し)、金属容器の壁には当たっていません。(離れていて、間は真空)だから壁が溶けたりはしません。 でも、磁場のカゴが急になくなって・・・と心配になりますよね。 では、装置として実物のある 大型ヘリカル装置(LHD) を例にしてお答えします。水素プラズマの周囲にある金属容器の重さは65トン(6500万グラム)です。これに対して、1億度の水素プラズマの重量はたったの0.02グラム。これは金属容器の重さの30億分の1という小ささです。さて、コップの水(室温)に、100度のお湯を一滴入れたとして、お湯の温度は変わるでしょうか。また、重たい鉄板にお湯を一滴垂らしてみたらどうでしょうか。コップの水や鉄板の温度はほとんど変わりません。これと同じで、65トンの金属容器に0.02グラムの水素プラズマが当たっても(それがたとえ1億度であっても)溶けたりはしません。あまりにも重さが違いすぎるのです。
海水が原料となる核融合発電は、持続可能なエネルギー源として、今地球の抱えている色々な問題を解決してくれるはずです。そんな核融合発電について解説します。 水色の文字は、サイト内の関連記事にリンクしています(外部リンクと表示のない限り) このサイトでは、主に「磁場閉じ込め核融合」を扱っていますので、「レーザー(慣性閉じ込め)核融合」とは技術的に異なる点があります。ご注意ください。