http://news.mit.edu/2018/mit-newly-formed-company-launch-novel-approach-fusion-power-0309(外部リンク)
まず驚いたのが、このプロジェクトがイタリアの民間会社などから支援を受けてスタートすることです。(正確にはMITと会社が共同で新しい会社を作っているみたいです)資金は5,000万ドル(日本円で約50億円)です。日本の核融合研究で、民間企業からこれほどの支援を受けた例はありません。
次が、プラズマを閉じ込める磁場をこれまでの4倍に強くして、装置そのものを小型化しようという計画です。磁場を4倍にすると、理論上、核融合出力が10倍になります。磁場を4倍にするためには、もちろん新しい技術が必要です。そこで登場するのが、1980年代に発見されて、現在やっと市販されるようになった「高温超伝導体」と呼ばれる材料を使うことです。(高温と言っても、実際には氷点下の極低温で使用されます。従来の超伝導体に比べると少し高温で使えるという意味です。)上の写真が実際に購入した高温超伝導体の電線です。マイナス196度に冷やすと150アンペアの電流を流すことができます。(家庭のコンセントは15アンペア)写真を見て分かるようにカセットテープにそっくりの電線で、厚さは0.1ミリ、幅は4ミリしかありません。このような高温超伝導体の電線をコイル状に巻いて、電流を流すことで、強力な電磁コイルができるわけです。しかし、強力な磁場を作ると巨大な電磁力がかかるので、その支持は技術的に簡単なことではありません。
MITでは、今後3年間で3,000万ドルを研究費に使い、世界で最も強力で径の大きな電磁コイルを作るとしています。そしてそのコイルを使って、15年以内に100メガワット(10万キロワット)出力×10秒パルスのパイロットプラント(名前はSPARCトカマク)を完成させる計画です。(なお、これは核融合出力で、まだ電気への変換はしません。)そしてこの技術をもとに核融合発電所の開発に続いてきます。
米国は核融合発電に消極的と言われています。国家レベルではそうかもしれません。ところが、大学レベルで民間からの投資を呼び込み研究を進めるところは、日本の大学も見習わないといけないことです。かといって日本の企業が核融合研究に投資してくれるかは実際不透明なところですが。

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