写真家 西澤 丞さんが立ち上げられた「Workers in Japan | 人と仕事の情報発信サイト」で核融合実験装置JT-60SAが取り上げられ、製作過程の貴重でインパクトのある写真がアップされています。ぜひ皆さんに見ていただきたいサイトです。
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https://workers-in-japan.com/2021/03/16/naka-fusion-jt60sa-japanese/
まず、西澤さんがオープンされたこのサイト、「現場の人の熱い思いを伝えたい。かっこよく働く姿を見てもらいたい。」と述べられているように、世の中であまり知られていない仕事の現場に入って、働いている人の息づかいが分かるくらいの近さで写真を撮られています。そこで働いている皆さんがとてもかっこよく見えます。
さて、核融合実験装置に話しを戻すと、この新しい装置は茨城県に建設され、これからプラズマを作る実験が始まろうとしているJT-60SAという装置です。実は1985年から2008年まで実験をしていたJT-60という装置を作り替えた後継装置です。西澤さんは前のJT-60の解体作業も取材されていて、当時の貴重な写真も今回公開されています。JT-60SA建設の写真で特に気になったのが、溶接作業の写真です。私も核融合実験装置LHDの建設に携わったので、溶接技術の重要さが分かっています。「真空容器には高精度が求められたので、現場には張り詰めた空気が漂っていた。」と書かれていますがそのとおりです。真空容器ですから少しのピンホールも許されません。そして溶接をするとどうしても金属が歪んでしまい設計図どおりの形状にならないのです。核融合実験装置では最終形状に対してミリ単位の精度が要求されますので、溶接には一段高い技術が必要となるわけです。
こういう写真から核融合発電や核融合研究に興味をもってもらえると嬉しいなと思います。
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