☆前々回に紹介したブルーバックス「核融合への挑戦」の全面改訂版です。前の「核融合への挑戦」では、最初の2章を使ってエネルギーのことを説明し、第3章から核融合の話に入りました。一方、本書は第1章から超高温プラズマの話で始まります。だから、一般市民向けというより、これから核融合の勉強をしたい、または、勉強しようとする人に最適です。前に紹介した2冊と同様、難しい数式もありません。
☆最後に「未来への展望」という章があるのですが、もう少し若い人に夢(勇気)を与えるような内容を期待しました。中でも「核融合発電はいつできるのか」という節では、「政治、そして予算が関係することであり・・・科学的な本の内容としてはふさわしくない・・」と書かれています。もう少し楽観的に(期待を込めて)書かれていても良かったかなと思います。
☆余談ですが、昨年、中国の核融合研究をしている研究所の所長さんと話す機会がありました。そこで「核融合発電はいつできるのか」という私の問いに所長さんは「15年後」と言い切りました。(短時間の発電実証ですが)日本では30年以内と答えるのが普通なので、本当に驚きました。これが本当なら、中国に先を越されてしまいます。
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