最近、放射線について話すことが増え、分かりやすい説明をしたいと思い、名古屋の丸善に参考書を見に行きました。もちろん、原発事故以降の関心の高まりで数多くの関連書籍が出版されていました。少し立ち読みしたら、不安を煽るものから、安心を強調したものまで、極端に意見が別れていました。それくらい極端な意見の方が売れるんだろうなと勘ぐってしまいます。
そんな中で、平積みになっていた少しゆるい感じの本が目に止まりました。帯に「放射線のしくみから、からだに与える影響まで、いまこそ知っておきたい大事なことを、数式を使わずにていねいに解説。放射線が気になる人のための、もっともベーシックでわかりやすい本」と書いてありました。実際、対談形式になっていて、確かに読みやすい本です。読むのに時間もそれほどかかりません。それより驚いたのは、この本の内容、かなり正確で、極端な意見(学説とかデマ)が排除されています。中立の立場で書かれているいるなと感じました。
※私が放射線に関して正確かどうかを判断する基準は、直線しきい値なしモデル(LNTモデル)以外を強く主張しているかどうかです。LNTモデル以外を強く主張しているものを極端な意見と感じてしまいます。
※私が放射線に関して正確かどうかを判断する基準は、直線しきい値なしモデル(LNTモデル)以外を強く主張しているかどうかです。LNTモデル以外を強く主張しているものを極端な意見と感じてしまいます。
私の購入したものは、2014年の発行でまだ初版でした。あまり売れていないのかもしれません。放射線が気になる人もそうでない人も、多くの人に読んでほしい本です。
【田崎晴明著「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」朝日出版社】
最初に紹介した本の後書きで紹介されていました。若干難しくなりますが、わからないことはわからないと書いていますし、すごく正確だと感じます。私にとっても、大変参考になりました。
最後にこのように書かれていますので引用させてもらいます。
- 「正しく怖がれ」と言われて恐怖感が消えるようだったら、そんな楽な話はない。
- ぼくは「気にする人」たちには「気にする自由」があると信じている。恥ずかしがらず、堂々と、「気になる、心配だ」と言うべきだし、まわりの人も「気にする自由」を認めるべきだ。
- 「気にする自由」があるのと同じように、「気にしない自由」があるということも言っておきたい。
- なんか玉虫色ではあるけれど、「気にする自由」と「気にしない自由」をお互いに認め合うのだが大切だと思う。
ここを読んだとき、胸が締め付けられました。私自身が「気にする自由」を排除していたかもしれないからです。
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