核融合発電にも利用されるプラズマ。今回は、プラズマの説明をざっくりとしてみようと思います。まず、原子がプラスの電気を帯びた原子核とその周りにあるマイナスの電気を帯びた電子からできていることを思い出してください。電子の数は一つのときもあるし、多数のときもあります。(つまり上の絵は、省略して単純に書いています)
その電子が、原子から離れたとしましょう。何個の電子が離れたかはここでは考えないことにします。電子が離れた残りの原子を、特別に「イオン」と呼びます。(スーパーの名前と同じなので覚えやすいですね)そして電子が離れることを、そのまま「電離(でんり)」と呼びます。
気体は、分子の集まりです。分子は原子が1個または複数個くっついたものです。空気だったら窒素分子(窒素原子2つ)と酸素分子(酸素原子2つ)が80%対20%で混じり合っています。上の絵は、分子が1個の原子からできているとして、気体を書いています。(これも単純化のため)
気体の温度が数千度くらいになると、最初に言った「電離」が始まります。気体で電離が起こると、上の絵の右のように、イオンと電子がバラバラに自由に動き回っている状態になります。これ状態を「プラズマ」と呼びます。
プラズマ特徴は、気体が電離したものだから、プラスの数とマイナスの数が同じです。上の絵だと10個ずつです。だから、全体としてみると気体とおなじように電気的に(ほぼ)中性です。ところが、このプラズマに電池につながった電極を近づけると、イオンはマイナスの電極に向かって走り、電子はプラスの電極に向かって走り出します。つまり、電流が流れるのです。これは普通の気体には見られない特徴です。
また、磁石に対しては、離れようとする「反磁性」という性質があります。磁石にくっつく鉄と反対の性質です。この性質をうまく利用すると、磁場でプラズマを閉じ込めることができ、核融合発電の原理にもなっていきます。
身近にもプラズマは存在しますので、次回紹介しますね。
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