☆前回、核融合発電で使う反応が、重水素と三重水素の原子核をくっつけて(融合して)ヘリウムの原子核に変えることですと説明しました。この反応が続くことを『燃焼』と呼んでいます。ですが核融合反応では、炎はでないので、燃えるというイメージがつかみにくいと思います。
☆核融合発電の場合も焚き火と同じです。温度を1億度に上げて反応を起こすために、最初に加熱装置を使って『点火』する必要があります。ここでは逆に電気を使います。そして一度反応が起こると、発生するヘリウムの原子核が燃料にエネルギーを与えてくれて温度が下がらないようにしてくれます。そうするともう加熱する必要はなくなります。(実際には、制御性を良くするために一部の加熱を続けます。)これで核融合反応が持続するようになります。これを『燃焼』と呼んでいます。後は燃料の供給などをうまく制御しながら、発電を開始します。
☆発電には一緒に発生する中性子の運動エネルギーを使います。火力発電や原子力発電では、燃焼している燃料から直接熱エネルギーを受け取ることができます。一方、核融合炉では、核融合反応で飛び出してくる中性子を周りを覆った厚さ1mのブランケット(毛布のような覆うものという意味の英語)と呼ばれる部分で受け止め、そこで『中性子の運動エネルギーを熱エネルギーに変換』します。この一つ多いエネルギー変換が今後の技術的な課題となっています。
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