☆水素プラズマは、1億度になると核融合反応を開始します。その時に発生するのがヘリウムの原子核と中性子です。核融合反応で発生するエネルギーは、このヘリウム原子核と中性子の運動エネルギーに受け渡されます。つまり中性子が、非常に速い速度(光速の10~20%の速さ)でプラズマから飛び出してきます。(ヘリウム原子核は磁場のカゴで閉じ込められ、プラズマの追加熱に使われます)
☆プラズマから飛び出してきた中性子は、ブランケットと呼ばれる板(厚さは約1メートル)に当たり、ここで速度を落とし、熱を発生します。つまり中性子の運動エネルギーが熱エネルギーに変わるということです。ブランケットの中には冷却材となる水やヘリウムが流れていて、暖められた冷却材が熱エネルギーを外に取り出します。運転中のブランケットの温度は500℃ぐらいになります。
☆ブランケットはまだ開発段階です。構造も材料もいろいろな候補があります。ブランケットがちゃんと機能するかどうかは、中性子が発生する核融合炉の中でしか確かめられません。しかし現時点では、まだそのような核融合炉が実現していません。それがブランケット開発の大きな課題となっています。「卵が先か、鶏が先か」と少し話が似ています。
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